分社化はイノベーションと効率性を殺す?
私が中高校生の1990年代、ソニーのウォークマンといえば音楽に詳しいクールな人が持つ憧れのプロダクトの象徴でした。当時、MDウォークマンが流行り、せっせとMDにお気に入りの音楽をコピーしては持ち歩いたものです。
バンドを始めた2000年前後には、プロミュージシャンの演奏を必死にウォークマンで聴き、演奏をまねては、それを録音し。録音されたひどい演奏にがっかりしながらも改善方法を模索する・・・
そんなPDCAの中心が、ウォークマンでした。
時は経過し2015年。ソニーのウォークマン部門が分社化され、またリスクコントロール領域に分類される方針だとのことです。
バンドをやる人は今やiPhoneで音楽を聴き、iPadの譜面を見ながら演奏し、録音もiPhoneでするのでしょう。一般大衆にとってのクール、クリエイティブの象徴がソニーからAppleに移行したのかもしれません。
分社化のメリットは、
成果や責任を明確にできる
倒産リスクを分散できる
ということです。
過去の栄光から脱却して新しい成功をつかむのか、はたまた失敗して倒産するのか、
その責任は事業にあるという大変に明確な方針です。
一方、分社化のネガとしては、
・管理の手間が増え、それに伴う人件費が増える
・事業をまたがる新商品、新サービス、シナジーが生まれにくくなる
という点があります。
シナジーがイノベーションや効率性といったメーカーの底力を生むことを考えると、分社化が一番の正解とも思えないのですが…。
今後のSONYの展開に注目したいと思います。